「土曜の夜はこれを借りろ」⑥ (MASH)
フォローワーさん1992人到達記念、1992年に書いていた文章
Twitterのフォローワーさんが1992人に到達したので、僕が1992年に書いていた文章を公開しています。
今回は、アメリカのブラックコメディー映画「MASH」という映画を題材にした映画評論コラムを紹介します。
「MASH」
近頃話題になっているセクハラが、正式にはセクシャルハラスメントではなく、セクシュアルハラスメントと表記することを最近知ったが、そんな下らんことにこだわっている人々にこの映画を捧げる。
♪自殺は苦痛でない、気分を変えるだけ
という詩が悲しげなメロディーに彩られ、闘いは始められる。
ところは朝鮮半島、部隊は移動野戦外科病院、通称マッシュ。
前線である。明日なき闘いに明け暮れるアメリカ人の姿や如何にと思いきや、のっけからジープは盗むは、看護婦は口説くは、悪ふざけが過ぎる。ハチャメチャぶりを演じ続ける役者たちはそりゃ憎めないけど、全編これではやっぱり飽きる。熱くさせたオープニングの曲はいったい何だったんだ。
と、そんなときに現れるのが逸物優れた歯科医なのである。彼は、「我ホモなりと思い込み」、自殺をしたいとのたまい申す。仲間と別れの杯交わし、一思いに薬を飲めば戦場からあの世と・・・。
ああ、ようやく戦争映画らしくシビアになってきたな・・・。このシーンこそこの映画の核心のはずだ・・・。だけど、やっぱり悪ふざけは直らないのであって・・・。
とまあ、いい加減なことはいい加減なのだが、見ているうちに元気になるから不思議なのである。これからモテない男性諸氏にとって、頭を悩ます種となるのがセクハラであることは間違いないが、そんなか弱き男達は、取りあえず部屋の中でこの「マッシュ」でも見て、笑い転げるべきなのだ。
以上が、「an」(デイリーアン=日刊アルバイトニュース)に掲載された僕の文章です。
何度も書きますが、当時の学生は、普通にアルバイトをしていました。
僕も良く、アルバイトをしていました。
アルバイトニュースには大変お世話になったので、アルバイトニュースに僕の文章が掲載されたことは嬉しかったです。
アルバイトをせざるを得ない貧乏学生たちに良質な映画を見てもらい、日々のアルバイトの疲れを週末にレンタルビデオでも見て、精神的疲れを解消してもらいたいと思い、良質な映画の映画評をおもしろおかしく書いていました。
この、「MASH」という映画は、アメリカの1970年代の映画だったと思いますが、この映画もレンタルビデオ屋さんで偶然、見つけて、自宅で観た映画だったと思います。
冒頭の、
♪自殺は苦痛でない、気分を変えるだけ
という、詩がスクリーンに美しい音楽とともに浮かび上がるシーンは、今でも脳裏に残っています。
ブラックコメディーとしてくくられていますが、冒頭の詩は、当時、映画を観た僕からすると、本質を突いていると思いました。
映画というのは、2時間くらいの映画が多いですが、ワンシーンに強烈なインパクトがある映画も多くあります。
以前、ブログに掲載した、「ブリキの太鼓」を題材にした映画コラムの中でもオスカルの母親が生のニシンをひたすら食べ続けるシーンについて書いていますが、映画を観て、特定のシーンが脳裏に残れば、映画を作った側からしても、嬉しいかもしれません。
この、「MASH」という映画の冒頭の詩はとても強烈に脳裏に残っているので、この映画も、良質な映画だと僕は思っています。
「an」に僕の「MASH」の紹介映画批評コラムが掲載されたことは嬉しかったです。
以上、「土曜の夜はこれを借りろ」⑥ (MASH)
フォローワーさん1992人到達記念、1992年に書いていた文章
くだらない内容ですが、ブログに載せます。
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