「土曜の夜はこれを借りろ」⑪(王様の映画)
フォローワーさん1992人到達記念、1992年に書いていた文章
Twitterのフォローワーさんが1992人に到達したので、僕が1992年に書いていた文章を公開しています。
今回、紹介するコラムは、アルゼンチンの映画「王様の映画」という映画を題材にした映画コラムです。
以下です。
童話で裸の王様というのがあったが。現代は裸の王様になることさえも許されない哀しい時代だ。裸の王様になることは誰でもできる時代にもかかわらず、誰もなろうとしない時代だ。あちこちに仕掛けられた様々な鏡によって自分の赤裸々な姿が映し出されてしまい、そのうち自己嫌悪に陥る。そして、何度も鏡を見るうちに街の裸の王様達は自分を包み隠す様々な服を得ていき、決して自分の姿を露にしなくなるのだ。
もちろん、裸の王様を必要とした時代はそりゃ苦しい時代だったに違いない。しかし、寺山流に言えば、裸の王様を持つことのできない時代というのはそれ以上に息苦しいイヤな時代なのだ。
この映画もそんな時代に自ら裸の王様になろうとした映画監督の物語だ。彼はかつて実在した似非王様の物語を作ろうとする。デブの娼婦に短躯の醜男、そして公園で見つけた王様。そんな素人役者たちが彼方まで広がるパタゴニアの大地で撮影に取り組む姿は現代のアルカイックな神話となる。彼らは自らの手で自らの王国を作り上げようとするのだ。
もし、「王様の映画」が映画の中の映画でなかったら、こりゃつまらん夢物語でしかなかった。この映画は映画の中の映画であることによって、自分達の裸の王様ぶりを見事に描き出すことに成功した「裸の王様の映画」なのだ。
以上が、「an」(デイリーアン=日刊アルバイトニュース)に掲載された僕の文章です。
何度も書きますが、当時の学生は、普通にアルバイトをしていました。
僕も良く、アルバイトをしていました。
アルバイトニュースには大変お世話になったので、アルバイトニュースに僕の文章が掲載されたことは嬉しかったです。
この「王様の映画」は、ロケ地が南米のパタゴニアで、風景がとても良かったのを良く覚えています。
ストーリー的にも、おもしろかった映画です。
王様の役の役者さんも、かっこいい役者さんではなく、短躯の醜男で、おもしろかったです。
僕が観た映画の中ではおもしろかった映画なので、映画コラムの題材にしました。
以上、「土曜の夜はこれを借りろ」⑪(王様の映画)
フォローワーさん1992人到達記念、1992年に書いていた文章
くだらない内容ですが、ブログに載せます。
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