「中部電力の耐震データ不正で刑事告発をしたことに賛成する」
毎回、毎回、同じことを書きますが、僕は一介のブロガーとして、ありきたりな日常を書き続けながら、胸が締めつけられるようなニュースに触れては、こうして文章にしています。
両親の介護で忙しくて、落ち着いてブログを書けません。心不全で要介護2の父と、脊柱管狭窄症や関節リウマチで要介護1の母を、幻聴の症状のある統合失調症で精神障害2級を抱える次男の僕が同居して介護しています。右手のマウス腱鞘炎をこらえ、文京区の静かな道を歩きながら、スマホの万歩計をチラチラ見て、頭の中は浜岡原発のことでいっぱいです。
2026年9月29日、市民団体や研究者らが、中部電力の勝野哲会長(同日付で辞任)らを、偽計業務妨害の疑いで東京地検に刑事告発しました。代理人の河合弘之弁護士は「1回の出来心ではなく長期間の組織的な不正。原発の安全の基礎を揺るがす事件で、強制力のある刑事手続きで追及されるべきだ」と記者会見で述べています。
僕はこの刑事告発に、はっきりと賛成します。
浜岡原発3号機・4号機の再稼働審査で、耐震設計の根幹になる基準地震動の評価が、不適切な方法で行われていました。乱数で作った多数の地震波から、平均値に近いものを代表波として選んだと説明していたのに、実際には都合のよい波を選び、それが平均値に近づくように残りを後からそろえていた。遅くとも2012年以降、こうした行為が続き、社内で問題視する声や内部通報も上がっていたのに、改められなかった。2025年5月に規制庁の調査が始まってからも、69ケースでデータを書き換えていた、と報じられています。
9月14日に公表された調査委員会の報告書は、虚偽説明や隠蔽とも言える行為があったと指摘し、早期再稼働への重圧のなかで「独自の正当化理論」が社内に広がっていたと認定しました。原子力規制委員会の山中委員長は「安全に直接関わる審査データのねつ造案件」と厳しく批判しています。中部電力は9月25日に審査申請を取り下げ、林欣吾社長と勝野会長は9月30日付で辞任しました。
辞任と申請取り下げは当然です。でも、それで終わりにしてはいけないと思います。
原発の耐震データは、御前崎の人たちの命に直結する数字です。南海トラフの震源域のすぐ近くに立地する浜岡で、基準地震動を小さく見せるような操作をしていたとすれば、それは「裁量の範囲」では済まない。安全の前提そのものを、審査する側に対して偽っていたことになります。河合弁護士が言うように、強制力のある刑事手続きで事実を明らかにするべき事案です。
僕は早稲田大学探検部33期のOBです。学生時代は山を歩き、未知の場所で仲間と困難を乗り越えてきました。あの頃から思っているのは、危ない場所では、数字をごまかさないこと、隠さないこと、です。地震の国で原発を動かすなら、なおさらです。
「結果として安全性に問題はない」という言い方は、聞いているこちらが不安になります。問題がなかったかどうかは、正しいデータで、外部から検証できて、初めて言えることです。都合のよい波を選び、説明と違う計算をし、調査が始まってからも書き換えていたのでは、信頼の土台が崩れています。
刑事告発は、誰かを叩くためのものではありません。組織の中で声を上げても届かなかった事実を、司法の場で確かめるためのものです。告発した市民や研究者の判断を、僕は支持します。
これからも懲りずに、僕のブログにお付き合いいただければ幸いです。
Don't give up
10月某日 早稲田大学探検部33期OB 上原和明 東京にて
以上、「中部電力の耐震データ不正で刑事告発をしたことに賛成する」
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