「松田和郎先生からのメール」
先日、10年前のメールを読み直していました。
早稲田大学探検部時代の後輩が心の病気になってしまったようで、そのことについて話し合うメールを読み直していました。
僕が先輩に送信したメールに、本物の医師であるM先生からいただいたメールをワードファイルにして、僕が添付して送っているメールがありました。
本物の医師の方は、心の病気に対してどのような姿勢で臨んでいるのかが良く分かる内容でした。
以下のようなメールです。是非、現在、心の病気で苦しんでいる方々に読んでいただきたいと思い、掲載します。
ご連絡ありがとうございます。
森田療法の本は僕も仕事の合間に少しずつ読んで実践するようにしています。「気分本位」あるいは「感情本位」で自分の不安や心配に振り回されるのではなく、「行動本位」を心掛けるようにしています。具体的には、
1.朝はなるべく決まった時間に起きる。
2.食事をきちんと摂る(野菜・海藻類・果物・無精白の穀類(玄米やライ麦パン)をなるべく取り入れています。また家族と摂るように努力しています)。
3.憂うつで出勤(ないし登校)する気にならない時も、憂うつな気持ちを意識し、かかえながらとにかく外出してみる。とにかく歩きはじめれば、外出する気にならない、という憂うつ感は消えているものです。
4.手を付ける気にならない仕事があるときは、後のことは考えないで、まず準備する。最初の部分だけやってみる。同じく、とにかく始めてみれば、マイナス感情もそれほど続きません。
5.適度な運動を心掛ける。最近は週に2―3回、1回15-20分ほど、プールで泳いでいます。
6.家事の手伝いをする。食後の皿洗いとゴミ捨て、飲料水用の水汲みなどを意識してやるようにしています。
7.他人と自分を比較する癖を意識してなくしてゆく。なかなか難しい。
8.立てた予定は7割こなせれば合格と考える。
こうして書き並べてみると、つまらないことばかりなのですが、大切なのはそういう地味な毎日の積み重ねだと思います。気分の落ち込む時というのは、何をやっていても、「こんなことやっていて何になるのだろう、将来自分はどうなるのか。」などと考えてしまいます。そして何もやりたくなくなります。
そこで1日仕事を休む。すると休んだ分楽になるかというと、心理的には、かえって落ち込み、弱い自分を責めたりして悪循環にはまっていくようです。むしろ、仕事や目先の作業をやりたくない、という気持ちを十分自覚しながらも、機械的に手足を動かして半日、一日とこなせば、体は疲れますが心の負担はずっと軽くなるような気がするのです。そして翌日はやはりまたやる気が出ない。でもとりあえず手足を動かしてみる(行動本位)。その繰返しなのではないでしょうか。
森田療法の考え方は僕にはとても合っているようです。落ち込んだ気分を分析したりして完璧に立て直してから物事に取り組もうとするのではなく、気分はいじらず、無視もせず、ありのままに受け入れ、手足を動かして目先の作業(仕事であれ勉強であれ、掃除や洗濯、かけたくない電話や読みたくないマニュアルの通読であっても)に取り組んでゆく。この積み重ね(くどいですが行動本位)の積み重ねが日々の生活を、人生築いてゆくと思います。
> 森田療法の本ですがやはりなかなか頭に入りません。脳の退化と抑うつ
> 状態が重なり頭痛もし読書がやはりまだつらい状態です。ただ、少し
> ずつですが読んでので少しは参考になります。
森田療法の本はたくさん出ており、専門的なものは難解です。何冊か借りてみてパラパラと目を通し、比較的分かり易いものをじっくり読むとよいです。
あと、読書能力の衰えを感じるなら、まったく肩の凝らない本も意識して手に取ってみて下さい。例えば国語の嫌いな中学生でもコバルト文庫とかちょっとエッチなことの書いてある週刊誌の記事なんかはワクワクして読んだりしますよね。またはこの前少し書きましたが、画集や写真集なんかは入りやすいと思うのです。そういうものを選んで、楽に読めるジャンルの本が見つかったら、それを大量に読んでも一種のリハビリになると思います。
繰り返しますが、上どんの知的能力は失われたわけではなくて、抑うつなどの気分障害が知力を発揮させにくくしていること、また内服している薬の影響などもあり、いずれにしても期間限定的なものです。生活が前向きになり、気分障害が改善し、安定剤や睡眠剤が減量されるに従ってまた回復していきます。
あと、仕事の件ですが、清掃の仕事は僕も賛成です。体は疲れるかもしれませんが、対人関係や机上の仕事のストレスにはさらされにくいというメリットがありますし、何よりもはっきりと人の役に立てる、ということがすばらしいと思います。
これは森田理論でも奨められていることですが、賃金をもらう仕事でなくても、家の周りや公園のゴミを拾ったり、掃除や洗い物を手伝うことは精神衛生上とても良いです。上どんも、だまされたと思って、家の仕事をやってみて下さい(元々やっている?)。それも、皿洗いとか風呂やトイレ掃除など、汚れ仕事がベターです。やったあと、ホンワカと良い気持ちになります。おすすめですよ。
あと、今日はプールのススメとか他にもいろいろ書こうとしたのですが、
例によって長くなってしまったので、それはまた今度。
バレーボールの試合、頑張って下さい(これを読んでいる時にはもう終わっているでしょうか)。試合の土産話も期待しています。
ではまた。
以上のような内容のメールを僕はM先生からいただきました。
僕もこのメールにどれだけ励まされたか分かりません。
僕の部屋にこのメールをプリントアウトして貼っておきました。
心の病気になると、感情本位になり、自分の感情に振り回されて生活してしまったりする方もいるかと思いますが、メールでは体を動かす行動本位の生活にするようにと書かれています。
本や新聞など活字を読むのが辛いと思ったら、心がワクワクするようなエッチな記事とかを読んでみるのも良いと書かれています。
心の病気の方々で難しいことを考えている方も多いことを考えると心がワクワクするようなエッチな記事を読んでみるのも良いリハビリになるのは本当だと思いました。
先日、10年前に早稲田大学探検部の仲間とやり取りしていたメールを読み直していたら本物の医師のM先生からのメールがあったので、心の病気の方々に参考になるメールだと思い、ブログに載せておきます。
以上、「松田和郎先生からのメール」
ブログに載せます。
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