「日本映画との出会い」
もう20年以上前の話ですが、僕は一年間の浪人生活を経て早稲田大学に進みました。
一年間新聞配達をしていてかなり消耗した状態で早稲田大学に入学したので、休息を求めていました。
大学に行っても、講義を受けるのは結構疲れるし、バイトもしなくてはなりません。
入部したサークル「探検部」は早稲田大学のサークルでも創部30年を超える名門サークルでした。
部室に行っても、目つきのギラギラした部員たちがいます。
逃げ場のない僕は、ふらりと映画館に入りました。
映画館では、スクリーンに、素晴らしい映像が映し出されてます。
僕の住んでいた文京区の近所には幸い、映画館が沢山ありました。
早稲田大学の近所では「ACTミニシアター」「早稲田松竹」
池袋に行けば「文芸座」
銀座に行けば「並木座」
飯田橋に行けば「佳作座」「銀嶺ホール」
出身高校の小石川高校に行けば「三百人劇場」
名画座が多くあり、東京の競争社会にほとほと嫌気がさしていた僕にとっては、日本の名画を沢山上映してくれる、「名画座」は究極の憩いの場でした。
1000円払えば、総合芸術の「映画」を見ることが出来ました。
映画館では本当に「映画」が好きそうな人たちが、のんびりとスクリーンを眺めてます。
寝ている人も沢山いましたが、映画館で、「映画」を見ながら寝てくれれば、
映画を作った方からしても、本望だったりするのかもしれません。
でも、黒澤明の「用心棒」などを観ると、寝るどころか完全に感情移入してしまったりしてしまうので、困ったものでした。
大学時代には、映画館には本当にお世話になりました。
バイトと、大学の講義、サークル活動でヘトヘトになっていた僕にとっては
「映画」を観ることは、都会のオアシスで水を飲むのに近い行為だったように思ってます。
1000円払って、黒澤明や小津安二郎と出会えたことは本当に幸せだったと思ってます。
黒澤明や小津安二郎に挑戦した、大島渚、増村保造、吉田喜重。ヌーベルバーグ系の映画も沢山見ましたが、理屈ぽっくって面白くなかったです。
鈴木清順などは独特の映像で面白かったですが。。。
名画座の中でも一番お世話になったのは、早稲田通り沿いにあった「ACTミニシアター」でした。ここは特筆に値する映画館でした。
日本の映画を系統立てて上映してくれます。
日本映画の歴史を全く知らない人にもここに通っていていれば、日本の映画の歴史がわかるようになります。
興業の要素はほとんどなく、まるで、日本映画史を教える場所のようなところでした。
早稲田大学に進んで本当に良かったと思えることは、「ACTミニシアター」と出会えたことだったのかなと最近、思ったりもしてます。
以上、「日本映画との出会い」
ブログに載せます。
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