「チベットに行く前の1988年6月19日の日記 チベット」
俺は口ではいい加減なことを言っているが、その実はかなり一途なようなである。筋が通っていないとどうも心に引っかかるものができてしまうようである。
俺の小ささかもしれないが、どうしても嘘をつくことが出来ない性分だ。
もっと大人になれと思うが、その辺が俺の欠点だろう。
今回のメンバーは根本的に調査的なことには向いていないと思う。
学問的な探査などやるような連中ではない。
俺もそんなことをしたいとは思わない。
客観的に見れば、ただの海外旅行の延長であるだろう。
そんなことは百も承知で、今回の計画をしたのである。
行く1ヶ月前に、一番大きな壁にぶつかるとは難しい問題である。
探検部にいるからといって、みんなが探検家になるわけではない。
みなある意味で、趣味的な道楽サークルであるはずだ。
そこを認めては、何もできないのかもしれない。
探検部の価値は、とても大きいものがあるのだと思うのだが、俺も、こんなところで探検部に妥協したくはないが、必要以上の開き直りもまたいらないと思う。
難しいことばかり考えても解決にはならない。
行動をすべきだ。頭を必要以上に使うよりは楽天的な実践の方が大きなものが生まれる。
大人になろう。
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