2026年7月2日木曜日

「高齢者の医療費3割負担化は「非常に乱暴」だ」

 「高齢者の医療費3割負担化は「非常に乱暴」だ」 

~両親の往診13500円と在宅医療の現実から考える~

父が心不全で要介護1、母が要支援2で両親の体調がすぐれず、往診を頼んでいます。医師や看護師が家まで来てくれるのは本当にありがたいです。住み慣れた家で、できるだけ自分のペースで療養できることは、高齢者にとってかけがえのない尊厳です。

往診の1回あたりの料金は3500円です。年金で細々と暮らす両親にとって、この金額は決して小さくないです。訪問看護や訪問リハビリ、訪問歯科も含めると、月々の出費は無視できないほど積み重なります。僕自身、両親のこれらの対応で家を空けられず、散歩をする時間もままならない日々が続いています。

そんな中、先日の与党協議で日本維新の会が、75歳以上の後期高齢者の医療費窓口負担を「原則3割化」するよう強く主張しているという報道に触れました。財政制度等審議会も、2026年度内に制度改革の工程表を作るよう提言したそうです。もしこれが実現したら、現在3500円の往診が、単純計算で110500円に跳ね上がります。とてもじゃないが、往診を続けられなくなります。

日本医師会の会長も「非常に乱暴」と懸念を表明されています。まさにその通りだと思います。

高齢者は、若い頃に保険料を一生懸命払い、社会を支えてきた世代です。今、老いて医療を必要とする頻度が増えるのは、生物として当然のこと。在宅医療を推進すると言いながら、負担を増やせば本末転倒です。受診を控える人が増え、病気が重症化し、結局入院や救急搬送に頼ることになる。トータルの医療費や社会的コストは、むしろ増えてしまうという指摘は以前からあります。

特に往診や訪問診療は、病院通いの負担を減らし、家族の介護離職を防ぎ、結果として医療資源の効率化にもつながる。在宅で最期を迎えたいという願いも、こうした制度が支えているのに、負担増はそれを根底から揺るがします。

平時の高齢者ケアも、社会全体でどう支え合うのかが問われています。世代間対立を煽るような「現役並み負担」や「年齢によらない応能負担」の名の下に、弱い立場の人々をさらに追い詰める政策は、絶対に認めるわけにはいきません。

老子の言葉にこうあります。

「天下水より柔弱なるは莫し、而して堅強なる者に勝つ者莫し」

水のように柔らかく、しかし粘り強く、諦めずに声を上げ続けていきたい。

僕はこの高齢者の医療費3割負担化の動きに、断固反対します。

多くの高齢者とその家族が、安心して必要な医療を受けられる社会を、次の世代に残すために。

以上、「高齢者の医療費3割負担化は「非常に乱暴」だ」

ブログに載せます。